自分の料理の方向性
よく考える。
一旦閃いたと思うとまた悩み、そしてまた考える。
やってみてまた考える。
色々なレストランに足を運び、色々な料理人の料理もたくさん食べてみる。
自ら市場に行き、農家に行き、漁港に行き素材にふれてみる。
無心に料理を作ってみる。
そしてやっぱりいつもここにたどり着く。
お客さんはウチの店に何を求めて来てもらえるのか?
お客さんはこの自分に何を求めて来ていただけるのか?
お客さんはウチの店でどのような料理、何を一番食べたいのか?
そう考えた時・・
今の時代に合ったフランス料理って何?アルギン酸や液体窒素、分子料理といった最新技術は自分には似合わない、それらの料理は次代の料理人に任せればいい。
自分がいままで修業し、培かってきた自分が最も得意とする料理、最も自信のある料理、そして何よりこの料理食べてみたい!と自分自身が思える料理、例え自分の母が食べても「英勝、美味しいね」って言ってくれる料理、そのような料理をお客さんへ素直に提供するのがやはり最も大切ではないのか?
この素晴らしい我々の故郷、日本ではどこの国より美味しいものが食べられる。生まれながらにして日本人でフランス料理を毎日食べる人はまず皆無だろう。だれもがお母さんの料理を食べて育ってきた。そして今も通常はほとんどの人が和食を食べているだろう。非日常的なフランス料理はおそらく晴れの舞台か特別な日、だからこそ
形だけにとらわれず、熱く、香りの立ちこめる料理、自分がレカンで衝撃を受けた料理、そして習った料理「仔羊のパイ包み焼き”マリアカラス”」のような力強い料理、いつまでも脳裏に焼きつくような料理をお出しして行きたい。
もちろん料理は時代と共に変化する。流行もある。自分の料理に対する考えは「素材第一、確かなキィイソン(火の入れ方)、確かなソース、そして相性の良いたっぷりの旬の野菜」である。これらの関係が間違いなければ絶対に美味しいと思っている。
自分はこのスタイルで生涯現役で貫いて行こうと強く思う。
つづく・・
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